報道によるとケネディ米厚生長官がワクチンに含まれるアルミニウム成分が子どもの健康リスクを高めないことを示したデンマークの大規模研究の論文を掲載しないように米内科学会誌「アナルズ・オブ・インターナル・メディシン」に求めたという。しかし、同誌は要請を拒否した。研究はデンマーク政府が資金を提供し、7月に同誌に掲載された。20年以上にわたり120万人以上の子どもを対象に全国のデータを分析したところ、ワクチンに含まれるアルミニウムが自己免疫疾患、アトピー性ないしアレルギー性疾患、神経発達障害を引き起こすことを示す証拠は見つからなかった。ケネディ氏は、この研究は「製薬業界による虚偽のプロパガンダ」で、「害が示されないように綿密に設計されている」と主張。同誌に「直ちに撤回するよう」求めていたという。(ネット記事より引用)
医学論文は客観的事実に基づいて作成され、第三者の歪められた意図が混入することはない。投稿された論文は数名のその分野の専門家の査読を受け、掲載されるか否かが決まる。得られた結論がいかなるものであれ、厳密な計画のもとに研究され統計処理も適切であれば問題はない。長官はやったこともない医学研究の結果に政治的立場で難癖をつけ、圧力をかけている。科学的研究の結果が己の政治信条と異なるから医学雑誌に掲載するなとは前代未聞の戯言である。政治家は研究で得られた結果を受け入れ、それに基づいて政策を推進することが求められる。
上司のトランプ大統領は雇用統計で過去の就業者数に関するデータが大幅に下方修正されたと一方的に主張し、労働省の担当局長の解任を命じた。専門家からは「統計の信頼性が損なわれる」などとして、批判が相次いでいる。アメリカの労働省は1日に発表した雇用統計で、農業分野以外の就業者数についての5月と6月分のデータをこれまでの発表から大幅に下方修正した。これを受けてトランプ大統領は担当局長を解任するよう命じるとともに、「共和党と私を悪くみせるために操作されたものだ」と根拠を示さずに主張した。
統計はありのままの数字を出し、数字が悪ければ、そこから必要な改善策が示されるというのが普通である。悪化数字は自分をおとしめるためなどいう指導者は民主主義国家では考えられない。中国やロシアの出す統計数字は信用されていない。まさかそんな国の仲間入りしようとしているのか。アメリカ国民は今まで築いてきた信頼を放棄しようとしている、悲しい現実だ。
日本も他人ごとではない、先ほどの選挙ではフェイクニュースをまき散らす人々が多数当選した。日本も危なくなってきた。客観的事実に基づいて国を運営することが当然であって欲しい。
令和7年8月28日
国立病院機構指宿医療センター 総合内科
中 村 一 彦






