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指宿 菜の花 通信(No269) 田舎医者の流儀(244)・・・2024年

 今年も残り少なくなってきた。今年の1月1日は朝から穏やかな日和で、家人と歩いて照国神社にお参りに行った。だが、夕刻能登半島で大きな地震があり華やいだ正月模様は暗転した。翌日もジェット機に小型機が衝突し大惨事になるところであり、今年は波乱の幕開けであった。 2024年の出来事はいろいろあるが私的にはトランプの再選と大リーガー大谷祥平選手の人知を超えた活躍が最大の出来事だった

 トランプの熱心な支持者は貧しい白人層であるという。20世紀には一貫してアメリカ人全体の死亡率は下がってきたのに白人中年層だけ死亡率が上がっているという。黒人、ヒスパニック系など他の人種集団には見られない。心臓病などでの死亡は減っているが、自殺、薬物中毒、アルコール性肝疾患による死亡者数が増えているという。(絶望死のアメリカ アンガス・ディートン、アン・ケース夫妻著)。多くの識者がこのことがトランプ現象の奥底で起きている本質に関わるのではないかと考えるようになった。この背景にはオバマ政権時代の2014年には上位10%の富裕層が総個人資産の73%占有し、下位50%はたった1%だけだったことなど貧富の著しい拡大がある。

 そんな背景でトランプは再選されたが、地球温暖化問題には後ろ向きでパリ協定は離脱するだろう、関税も上げると公言し自由貿易に否定的、自国優先を主張する。何よりもエビデンスをフェイクとして否定し、法より自分を上に置く姿勢、アメリカファースト・自分ファーストが今後の世界に如何様な影響を及ぼすのか注目される。大谷の活躍は人知を超えたところにある。来シーズンはまた二刀流になるだろうけど予測不能な活躍がみられるか。彼の活躍は人並み外れた努力の上に成り立っている。努力のできる能力に驚嘆する。

 シリアのアサド政権が崩壊した。アサドさんは英国で眼科医をしていて、お兄さんが亡くなりシリアに帰り独裁を継いだ。政権崩壊後過酷・残酷な独裁であったことが次々に明るみに出ている。医者ともあろうものがそんなことをするかと暗澹たる気持ちだ、しかし、独裁者の末路は哀れだ。

 1月初め札幌の孫が中学受験をした、幸いに希望の学校に入れたようで安心した。家人と孫が大学に入るのは見届けようねと話した、86歳までは元気にしていなくてはならない、できるかな。 2月中旬本「続田舎医者の流儀」作りを始めた。7月下旬本が出来た。自家出版で500部ほど印刷し400部は知り合いに送った。本の出来栄えはよく編集人有川さん、大迫さんに感謝している。多くの方から読んだよ、読みやすくて面白かったとお褒めのメール・手紙を頂いたありがたい事だ。

令和6年12月18日

国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦