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立ち会い分娩に関して

 日頃より当院産科をご利用いただき誠にありがたく存じます。                                                       立ち合い分娩に関してお問い合わせが多々ありますので、ここで説明させて頂きます。

 2023年度4月現在、分娩後に産後の傷の処置などが終わってから落ち着いて面会時間を設けており、この産後の面会対応をもって立ち合い分娩という体裁をとらせていただいております。この対応に至った経緯と今後については下記のようになっております。

 2022年度におきましては新型コロナウイルス感染症に関しての対応が県内外の分娩施設で徐々に緩和される動きもみられておりましたが、当科におきましては2022年度の年間を通して、立ち合い分娩を大部分制限させていただいておりました。理由としましては、当院は指宿市で唯一の第2種感染症指定医療機関であり、南薩地区としても県立薩南病院と当院の2施設のみが該当します。また、県本土最南端、指宿市唯一の分娩取り扱い施設でもあります。そのため鹿児島県の新型コロナウイルス感染症流行の程度に応じ、県の病床確保計画に応じた病床確保と運営が求められ、職員の院内感染対策においてもより注意を求められる立場にありました。2022年度におきましては鹿児島県の新型コロナウイルス感染症流行状況に応じ、病院全体としての面会のルールも県の定める目安に則った対応としておりました。2022年度の大部分が面会制限を要する感染状況であったため、分娩時の面会も制限せざるを得ない状況でした。そのため、産婦人科のスタッフとしても心苦しい思いではありましたが、2022年度の立ち合い分娩は流行状況に落ち着きが見られた限られた期間においてのみ実施しておりました。

 2022年度2月以降に関しましては新型コロナウイルス感染症の流行状況が落ちついてきている状況のため、面会制限も緩和されております。2月以降から現在2023年度4月においての立ち合い分娩は、産後の面会という形で実施させていただいております。この理由としましては、分娩の時間経過は個人差が大きく、子宮口全開大以降からどれほど時間を要するかもそれぞれです。そのため児の娩出の瞬間に立ち合うためには面会時間が長くなってしまう場合があります。現状でも病院全体の面会時間に制限がある中で、立ち合い分娩の場合、ご家族の面会時間が長時間となる可能性に関して、管理上の問題や、公平性平等性の観点での懸念がありました。そのため、分娩後に産後の処置も終わってから面会を行うことで、時間を決めて落ち着いた家族の時間を過ごしていただけるということになりました。。

 なお、5月以降、鹿児島県の病床確保計画も当面は継続されるものの、新型コロナウイルス感染症の感染症法における分類見直しが決定されており、社会の流れに合わせて徐々に当院の分娩の対応、立ち合い分娩の方法に関しても見直しをしていく予定です。

 当院での分娩を予定している方、検討いただいている方にございましては、ご不便おかけいたしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

 

令和5年4月14日

 国立病院機構指宿医療センター 産婦人科医長
 鮫 島 浩 継