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新年度に想う

 “ 新年度に想う ”

 今年は病院の敷地内の桜が3月下旬には満開になり、早々に新年度の到来を祝してくれているようでした。入院患者さんたちが毎朝、新病棟の窓際で桜並木を眺めて談笑している光景を目にすると、自然の豊かな恵みから受ける恩恵がいかに重要かを改めて実感いたしました。

 さて、昨年度は当院でインフルエンザのアウトブレークが一度も発生しませんでした。

 ここ数年間、毎年数か月間の面会制限を実施し、関係職員へ抗ウイルス薬の予防投与を行ってきました。鹿児島市内や指宿市内で病棟閉鎖を余儀なくされた病院が多数報告された中、当院での発生が無かった理由を私なりに考えてみました。

 まず、新病棟になり廊下や病棟、ナースステーションが広くなりました。通気が良くなりウイルスの蔓延を防げた事が予想されます。また、職員に対するICTの教育により感染防御意識が高まったことも挙げられます。病棟では面会者の検温や健康チェックも徹底され、水際感染防御も功を奏したと言えます。特筆すべき事がもう一つあります。

 平成27年10月から指宿市歯科医師会と医科歯科連携を行い、毎週の口腔ケアラウンドと訪問歯科診療を継続しています。当初、当院の看護スタッフの口腔ケアのスキルは決して充分とは言えませんでしたが、2年間の教育と研修により入院患者さんの口腔衛生管理が上達したと連絡協議会で最近、お褒めのお言葉を頂きました。私はこの点もインフルエンザ感染防御に影響している気がします。まさにチーム医療の成果だと思います。

 4月から新しい仲間が加わりました。新しいパワーが加わったと言えます。これから私たちの病院で新しい事が始まるような予感がします。指宿医療センターが地域に役立ち、地域で愛される病院に成長することを夢見て日々精進しましょう。きっと満開の桜にも勝る実りを受け取ることができるはずです。

平成30年4月1日

 国立病院機構指宿医療センター 院長
 鹿 島 克 郎