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指宿 菜の花 通信(No167) 田舎医者の流儀(142)・・・「脳」力アップ

2021年5月7日(金) 菜の花通信

 アメリカ・イリノイ州ネ—パ—ヴィルの高校で、朝授業が始まる前にランニングなどで心拍数を増やす運動が取り入れられた。その結果、ある高2のクラスでは、太りすぎの生徒は3%しかいなくなった(国の平均30%)。さらに、そのプログラムによって、学区の生徒が国内有数の頭のいい生徒へと変身したという。

 1999年、ネーパーヴィルの8学年の生徒は、世界の約23万人の生徒が参加するTIMSS (国際数学•理科教育動向調査)という国際的基準の数学と理科のテストを受けた。 当時、それらの大切な教科において、アメリカの生徒は中国、日本、シンガポールの生徒に大きく水をあけられてきたが、ネ—パ—ヴィルの生徒は明らかに例外だった。彼らは数学では世界6位、理科では世界1位という結果を出したのだ。

 運動をすると、セロトニンやノルアドレナリンやドーパミンー思考や感情にかかわる重要な神経伝達物質―が増えることは知られている。更にニューロンの回路、つまり脳のインフラを構築し、維持するタンパク質群で、脳由来神経栄養因子(BDNF)も増えることが判ってきた。つまり、授業前の体育が学習のために必要な道具(ニュー ロン)を脳に与え、その後、授業で受けた刺激はその新たに生まれたニュ— 口ンに仕事を与え、ネットワ—クにつなげて、学習効果を上げるように働いたのだろうと考えられている。

 2007年にドイツの研究者グループが人間を対象として行った研究では、運動前より運動後の方が20パ—セント早く単語を覚えられ、学習効率とBDNF値が相関関係にあることが明らかになった。数学や英語の成績が悪いとよく授業時間を増やして、改善しようとするが、殆ど成功していないそうだ。朝の授業前の運動で成績が上がったネーパーヴィルの実績は「脳」力を上げる方法に示唆的である。

 僕が高校に入った時、二年先輩の方が早朝、講義の前にいつも校庭を走っていた。田舎者の私は都会には変わった人がいるものだと思った。その先輩は学年でトップクラスの成績で、難しい旧帝大の医学部に現役で合格した。その先輩が学習前の運動が脳を活性化することを理解していたかは解らないが、今の進化した脳科学から言えば、時代を先取りしたやり方であったのだ。
(参考文献:脳を鍛えるには運動しかない ジョンJレイティ、エリック・ヘイガーマン 著 NHK出版)

 

令和3年5月7日

国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦


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