独立行政法人国立病院機構指宿医療センター

指宿 菜の花 通信(No128) 田舎医者の流儀(103)・・・良妻賢母後症候群

2019年7月12日(金) 菜の花通信

 80歳代のご婦人が紹介で受診された。「胸が苦しくなることがある、急にひどく寒くなったりする、出かけるのもままならない」という。近くのベテランの精神科の先生が主治医で「心身症」などの診断で治療中である。「胸が苦しい」との訴えがあるので器質的心疾患がないか診察して欲しいという依頼であった。

 心電図、心エコー図検査などをした。心電図は正常範囲で、不整脈も出ていなかった。心エコーは画像を見せながら説明をした。動画を見せ、「少々の肥大はありますけど、有意の弁膜症もなく、心臓はよく動いています、心配いりませんよ」と説明した。「心臓のことは安心しました、しかしどうして急に寒くなったりするのでしょう、外出する時もそれが不安で洋服をいくつも持って出ないといけないのです」と云われる。

 このご婦人は「ご主人を支え、3人の男の子もしっかり育てた」と話された。ご主人が亡くなり、子供たちもそれぞれ自立した後,こんな症状が出だしたという。私は「それは自律神経が不安定なための症状で」「良妻賢母であった方が、その役割を終え、自分一人になったとき、よく出てくるんですよ」と説明した。私は勝手に「良妻賢母後症候群」と名付けている。ご主人の定年あるいは亡くなるまで完ぺきに支え、子供たちも希望の学校に行かせ、就職させた。それぞれ結婚し独立していく、それらが全部終わって、これから何をするのか。一瞬、心に隙間が出来る。その時に更年期障害、初老期の体・心の変化が重なると、自律神経の不安定さが増強される。それによって、さまざまな症状に襲われることになる。

 今までも、ストレス過剰・交感神経緊張に晒されると血圧が上がり、血管壁を傷つけ心臓血管系の死亡が増えることが知られていた。最近の研究によれば、慢性的なストレスは免疫系統の抑制をもたらし、感染に弱くなることや慢性の炎症状態を起こし、がんや動脈硬化性疾患の発生に繋がっていくと考えられている。

特効的治療法はないが、今までの生き様が症状を起こしている元なので、「これからはやりたくないこと、頑張らないと出来ない事は止めたらどうでしょう。今はその必要はないのだから手抜きをしてみたらどうだろうでしょう」「そうしたら、過度に反応していた自律神経が少し鈍感になってくれるかもしれません」と話しした。
    (参考文献:医者が教える非まじめ老後のすすめ 大塚宜夫著 PHPエディターズ・グループ)

令和1年7月10日

国立病院機構指宿医療センター 総合内科
 中 村 一 彦

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